男は左手に手袋をはめた。 薄い黒の手袋だ。 一度左手を握り、親指と人差し指をたてた形を下の隊士に向ける。 「ばーん」 「……!?」 向けた人差し指から突如炎が飛び出して下の氷を溶かした。 足場が崩れて隊士たちは地面に崩れ落ちる。 「お前何者?」 「面倒だから後で話すよ。 行くぞ」 当然ながら名残も無く、女性と共に男は屋根から飛び降りて敷地内から脱出した。 「おっかねえ奴…」