ぐしゃり。 血肉が裂ける生々しい音がして人型が倒れ伏した。 血まみれになった茣蓙に立つのは。 「緋次、貴様…っ!!」 すらりとした長身と、漆器のような緋い髪をなびかせて、実に爽やかに笑って佇む『死ぬべきだった人』。 両手に握られた刀は赤く染まり、手首にまで血がつたっている。 その足元には、介錯役の隊士の頭がごろりと毬のように転がっていた。 「緋次、貴様アアアアアア!!!!」