翌日。 炭を広げたようなどす黒い夜に、月も星も浮かんじゃいない。 ただ燃え盛る松明がこしらえられてパチパチと業火を燃やすばかり。 広い砂利の庭の真ん中に茣蓙が敷かれ、二人の隊士に挟まれて緋次はその座に座った。 顔を上げれば、局長が岩のような厳格な表情で緋次を見ている。 剣の腕がいいからと拾ってくれた、最初で最後の恩人だと僅かに思っていた。 その局長が死を命じたのだ。 死して当然、納得に足る。