それを手にとってまじまじと見つめた。


西洋人が持つには珍しすぎる、東国地方で有名な名刀の類。



頭蓋に、冷ややかな指先の名残がまだ残っていた。


人の指とはあんなにも冷たいものか、否、アレが冷たいのか温かいのか、経験のない緋次には判断しようもない。





俺はなにがしたい。


刀を持ったのは人を切るため。


人を切るのはなんのためか。





その問いを呟けば、またあの男に下らないと嗤われるのだろう。



そんなもの、追い求めても結果はないのだと。