冷たい鉄格子の向こう、男が一人背を向けて正座していた。


牢獄に唯一の窓を睨み、降り注ぐ光を浴びる姿は痛々しく、また特異な色をしていた。


血を仕込んだように赤い髪が無造作に一つに結われ、紅葉色の着物の上に浅葱色の羽織を被っている。


口は一文字に閉ざされ、とび色の瞳はくたびれたように濁っていた。



緋次 刀陽は死を目前にして自らの生を回想し、悲愴に浸っている。