「モテるのもつらいんだね。」



ふとした聞き覚えのある声...。



誰かなんてすぐに分かる...。



私の後ろに来るとぴたりと足を止めた彼。



「紫苑君?」


後ろを振り向くと...やっぱり。



初めてしゃべる。


どきどきがとまらない。


「俺の名前知っていてくれたんだ。うれしいな。」


「えっ...。あの!...その。」


にこっと微笑まれてどきどきが更に早くなる。



あの紫苑君としゃべれるなんて...。