「そういうことか。学年のアイドルは意外と軽い女なんだな。」



俺はいらいらして本音を言ってしまった。


やめろ。



演技だ。


いつもの演技をやれ。



ほら、にこっと笑って「ごめん、嘘。」って言うんだ。



「紫苑君、違う...っ。」


「ちがわねえだろ。こいつがそう言ってるじゃないか。」



必死に首を振る栞。


俺はそんな姿にもイライラを覚えた。



「次はK高校前~。」



いいところで電車のアナウンスが流れた。


「じゃあ、な。」



俺はそれだけ言うと電車を降りた。


なんなんだよ、このイライラ感。