「私、ヘタレなんです」 ぎゅっ、と彼の背中に回した手で、彼のコートを掴む。 「うん、知ってる」 応えるように、彼は私の頭を撫でる。 「…………」 「ごめんね、俺がちゃんと一発で受かれば良かったのに」 「んー…」 「まぁ、来年受かっても北海道だけど」 「それは、私が頑張って逢いに行けば良いだけだから」 ああもう、泣いてしまいそうだ。 .