『ふあ…。』 出てきた欠伸を噛みしめて家を出る。 「眠れなかったの?」 『うん、そう眠れなか…!?』 「おはよう」と笑顔で帰ってきた。 『ちょっ!なんでここに居んの!?』 「しー。」 ギロリと通勤中のサラリーマンや暗記中の学生に睨まれる。 朝が苦手なんだろう。 隣の男も大きな欠伸を手で隠した。 『なんで家に泊まった訳?』 「夜遅くなったから。」 まるで台詞を読むかのように棒読みだ。…どんだけ眠いんだよ。