「ほら、あの人。」


指差す先を見ると、霊がおいでおいでしていた。


『知り合いではないですけど。』


「そうですか。」


知り合いではないというのは嘘。

最近幽体離脱してしまって困ってるのだとか、あたしに相談しに来るんだよね。


その幽霊さんにごめんねポーズをすると、ニヤニヤして去って行った。


『あ、ここでいいです。』


「分かりました。それでは。」