……そう言えば、見回りしてないな。 事務所に入って行った影もかなり怪しいし。 どうしようか…? 多分結城さんはあたしのことを良く知らないだろうしなぁ…。 なんて考えとは裏腹に、足は事務所から離れる。 無意識に見上げれば紅い月。 もしかしたら……。 すると、ピタリと前を歩く彼が止まった。 「……あの方は知り合いですか?」 『へ?』 誰のことだと、周囲を見渡す。