『いえ、何でもないです。』 「そうですか。」 結城さんはいつの間にかあたしの鞄を持っていて、 すぐに出られる状態になっていた。 ……何だか申し訳ないような。 少し距離を置きながら入口に足を踏み入れる。 すると、一瞬消える電気。 『…?』 当たりを見回しても怪しい所はない。 それに、居るのは受付に女性一人と、 今エレベーターから降りた女性二人くらいだ。