男装少女はアイドル②【完】



『いえ、何でもないです。』


「そうですか。」

結城さんはいつの間にかあたしの鞄を持っていて、

すぐに出られる状態になっていた。


……何だか申し訳ないような。



少し距離を置きながら入口に足を踏み入れる。

すると、一瞬消える電気。


『…?』


当たりを見回しても怪しい所はない。

それに、居るのは受付に女性一人と、

今エレベーターから降りた女性二人くらいだ。