ドアを開いて出て来たのは、 大人しそうな雰囲気を漂わせた男の人だった。 絶対あたしより年上そう…。 向こうからは死角になる位置にいるため、鏡で見ている。 その人は、あたしの存在に気づいてないみたい。 「あれ…高橋さんは居ないんですか?」 「ふふ。ここに居るわよ。」 桃子さんは悪戯っ子のようにニヤニヤと笑っていた。 ……何が面白いのやら。