男装少女はアイドル②【完】



ドアを開いて出て来たのは、

大人しそうな雰囲気を漂わせた男の人だった。


絶対あたしより年上そう…。

向こうからは死角になる位置にいるため、鏡で見ている。


その人は、あたしの存在に気づいてないみたい。


「あれ…高橋さんは居ないんですか?」


「ふふ。ここに居るわよ。」


桃子さんは悪戯っ子のようにニヤニヤと笑っていた。

……何が面白いのやら。