「っと…忘れるところでした。」 チラリとあたしに視線を送ると、花束を出した。 「わお、セツちゃんってマジック出来るんだ。」 「ちゃん付けしないで貰えませんか? ……気持ち悪い。」 わざとらしく蔑んだ目で見た。 あれ、セツナにしては珍しい反応…。 「奈子様、そろそろ準備が出来たようなので…。」 「分かった。」 「はぁ…じゃ、僕は先に行くね。」 「うん。」 彼は背を向け、右手で手を振ると部屋から出て行った。