ドレスに着替えて、廊下に出た。 相変わらずこっちの世界には月が二つ、別々の色の月が光っていた。 一つは青く、もう一つは赤い月。双子のように仲良く並んでいた。 「それでは行きましょう。」 『ああ…。』 随分と昔、二つの月のせいで戦争が起こった。青い月は水の使い、赤い月は火の使い。 ある日ピタリと雨が降らなくなり、火が暴走。巻き込まれて死んだ悪魔は多い。 その時に記されていたのはたったこれだけ。その後どんなことがあったのか、その歴史は闇の中。