「……仲直りしたら?」
「仲直り?はっ、無理に決まってるじゃん。」
あざ笑うように顔を歪ませる。
その相変わらずの無表情が少し怯んだのが分かった。
「話はそれだけ?僕、屋上に行きたいんだけど。」
みんなそうだ。僕があざ笑うだけでさっきまでの威勢がなくなって怯える。
メンバー達だって昔は僕を嫌っていたのだから、きっと奈子だって……。
そう考えて消した。
もう嫌われて構わない…どうせこれまでは演技だった。
「どかないなら力ずくで。」
「っ!?」
窓から差し込んでくる小さな光に照らされていた龍樹に影がかかった。



