男装少女はアイドル②【完】



バンッ

力の加減も考えないで開けたせいか、少し埃が落ちた。


あたしの開けたドアの音に驚いたのか、あたしに驚いたのか、

みんな一斉にこちらを見ていた。


『……すみません遅れまし…。』


あまり見ないように窓に視線を向けた。



「いいところだったのにー。」


ぷーと彼女は頬を膨らませる。

空はこの場面に遭遇しなくてよかったと内心思った。


「危なかった。僕、空桜から引退しようかと思ったよ。」


真っ青な顔をした空桜メンバーと結城さんに同情の視線を窓から送った。