男装少女はアイドル②【完】



『ハァハァ…。』


肩で息をしながらエレベーターに乗り、最上階を押す。


「大丈夫?」


『なんとか大丈夫。』


運よく誰も乗ってなかったため、二人きりになった。


「あー…、せっかくパフェ頼んだのにな…。」


ボソリと呟いたのが聞こえた。

…もしかして、60分以内に食べ終わったらタダになるっていう伝説の…。



『……今度奢る。』


あたしとあまり変わらない背の彼の頭を撫でてから

丁度開いたエレベーターから出た。