「ありがとうございます。」


気がつけば、彼女は電車から降りていた。



「降りないと電車出発しちゃうよ?」


空が肩を揺らす動作をしたけど、あたしはフリーズしていた。


『なんで…幽霊が……。』

目だけを動かして彼女を見た。

「お、かのんおっはよ!今日は早いね。」


彼女の周りには友達らしき人と数人で一緒に歩いている。

霊感がない人間でも見える幽霊なんって聞いたことがない。

……運がいいのか悪いのか、彼女らは隣の高校の制服を着ていた。