今は本屋に行って帰るところで夕方だ。

コックリコックリと眠たそうな顔をした空のほっぺたをつねってみる。


「ん…。」


このほっぺた柔らかいし色白だし…男とは思えないんだけど。

ボーっと空の頬を見ていると起きたみたい。


「あれ…俺…。」

『電車は公共の場です。駅についたら俺は空を置いて行くので、どうぞ、存分に寝ててください。』


その時急なカーブで、電車が揺れた。

丁度目の前の女子高生が頭を打ちそうになっていた為、


あたしは彼女の肩を持って倒れないように手すりに捕まった。


『大丈夫?』


そう言うと、彼女はふわりと微笑んだ。