その日をきっかけに、私は、仕事に出るようになった。

ご飯も食べるようになった。


けれど吐き気は、止まらなかった。


私は、病院に行った。

「高山さーん。診察室へどうぞ」

ガラガラ

「お座り下さい」

「………」

「おめでとうございます!生後1ヶ月です。」

「へ?」

「妊娠されていますよ!」

「……ほんとですか?」

「はい!」

涙が出た。
ゆうが最後に残してくれた、小さな、小さな宝物。
ラブレター以上に嬉しかった。

私は、もう一人じゃない。心には、ゆうがいる。
お腹には、ゆうの赤ちゃんがいる。

ゆう……。

私は、幸せです。