「高山さぁ〜ん!診察ですぅよぉ〜」
媚びを売り、頬を赤く染めながら、担当医でもないくせに堂々と、若くてお化粧がバッチリな、女のお医者さんが、私を鋭く睨みながら病室に入ってきた。ゆう目当てって、バレバレだ。
「あんた誰?」
「ゆうくんの担当医の先生が今日お休みだかぁら、私が代わりにきたのぉ〜!」
「へぇー。
「今日の体調は、いかがですぅかぁ〜?」
「………普通」
「よかったですぅ!心配してたんですよぉ〜!!」
「………」
「じゃあ、血圧測りますねぇ〜」
語尾をいちいち伸ばし、ボディータッチがやたら多い、お医者さんにイライラする。
ダメだと思いながらも、醜い嫉妬をやめる事は、できない。
どうしたら、このモヤモヤは、消えるの?
だけど、お医者さんにまで、嫉妬してしまう自分が1番、嫌気がさす。
「130ー86。いつもより高めですねぇ〜。すごく心配しちゃう〜」
「………」
「じゃあ、心臓の音聞きますからぁ、パシャマのボタン外してくださぁ〜ぃ!ぃゃ、私が外しちゃぉ♪」
ゆうは、抵抗していたけど、患者は、大人しくしてなさぁいとか言ってゆうのパシャマのボタンをいやらしく一つ、一つと外していった。
私は、我慢の限界だった。目からは、かってに涙が溢れてきて、頬にたれながれる。
自分が醜い。
嫉妬なんて、なくなればいいのに。

