まず顔を洗った。
「お前肌スベスベだからイケるわ」
「で、お前どーすんの?こんな事して」
兄貴はメイクを淡々とこなしていく。
姉貴より断然上手い。
「tulipはさ、監督といろいろあったって報道流れたじゃん。まぁそれ事実なんだけど、俺は琉愛の好意でやってないってわかってるから・・・・」
「あったんだ....いろいろ。そりゃあ、お前だって戸惑うだろ?」
「俺、助け求められた。でも撮影中に抜け出したらキレられるし、どうにもできなかった」
「そっか・・・」
「着いた頃には終わってて、琉愛は裸でさ」
「わぉ。それはキビしいね」
「それでまぁいろいろあって。で、仲直りするために今日会うんだけどさ、記者がたかってて」
「それで友達装って、女装しろと」
「ああ.....そーゆう事」
「tulipに会いてぇんスけど」
「じゃあお前も女装すっか。でもすぐ帰れよ?」
「わーってるって。今日は想とtulipの密会だもんな♪」
「はぁ?」
兄貴は自分で化粧しだす。
正直、凄い。
琉愛はコイツを雇えばよくね?
言ってみるか。
「俺は女向きの顔してっからメイクすぐ終わんぞ?はやくウィッグしろよ」
「ハイハイ・・・」

