やっとここから出た。
・・・・・・・ん?
人だかりがある。
マイクとかを持ってる。
「あの~.....サングラス外してもらってもいいですか?tulipちゃんですよね?」
「お相手は・・・?」
「目撃情報があったんですが」
記者だ・・・・
ど、どうしたらいいの!!
あ、あたしはtulipじゃない!
違うの!!!
あたしじゃないあたしじゃない・・・
「あのー....私、tulipちゃんじゃありませんけど.......そんな、芸能人とかじゃないですし........なんかすみません」
「ホ、ホントですか?」
「じゃあ外してみて下さいよ!!」
外したら思いっきりtulipじゃん。
だめだって・・・・
も~!!!!!!!
あたし、瞬間移動したい・・・
誰もいない、南極とかにでも行きたいよ・・・
〈ウィーン~♪〉
「あ!北原監督じゃないですか?も、もしかしてtulipちゃんと監督・・・接点アリアリじゃないですか!!ドラマ.....そうですよね?tulipちゃんですよね?」
ヤス・・・・・
キョトンとしないでよ。
てか、あたしなんでヤスって呼んじゃってるのよ!!
「ご、ごめんなさい・・・違います」
あたしはめちゃくちゃ走って逃げた。
今までにこんな速く走った事ない。
〈~♪〉
で、電話!?
だれ?
あたしは走りながらポケットにしまっていた携帯を取り出した。
誰かなんて見てる暇ない!
「もしもし・・・ハァハァ・・・」
「どーした?!!」
「あたし.....ハァ.......ハァ
記者に見つかって...ハァ....
出てくるとこも.....誰といたかも...
全部見られた.........」
「ああ。わかったすぐ行くから。どこ?」
「北地区の市役所裏」
「わかった」
「・・・・・・・待ってる」
そして電話は途切れた。
想、あたしに電話したの何で?
「.....もうわかんないよ。想のこと」
「...ハァ......ハァ」
息はなかなか整わない。

