「お前、正気か?」
「ごめん.....あたし、想と別れるね」
想は驚いたような表情をした。
当たり前というか、そうじゃないとダメなんだよね・・・
こんな女、想と一緒にいたら汚れちゃうもん。
「ちょっと考えさせてくれ。また連絡すっから」
考える?
あたしと別れるかどうか?
「何を・・・?」
「琉愛とどうなるか」
考える、なんて言われたら、期待しちゃうじゃん。
そんな......期待させといて「やっぱり無理」とか言うのはやめてほしい。
余計、辛くなるじゃん。
「じゃあな」
そう言って奏は出て行った。
なんか気まずい空気。
というか仕事!
着替えなきゃ・・・
「出て行ってくれませんか」
全裸から着替えるところを見られたくない、と説明した。
「無理」
「遅刻するじゃないですかぁ!」
「すればっ?」
うう・・・
「分かりました。その代わりバラしてもいいんですかぁ~?」
「いいけど?」
鼻で笑われた。
どこまでSなんだろう。
「もういい!」
あたし、まじでキレたから!
結局、あたしがおれて浴室に入った。
着替え終わり、壁の隅にあるバッグを持つ。
すると、ヤスも出る準備を始める。
ここを出て行くところを知られたらどうなるか・・・
想は大丈夫だったのかな?
「俺ら、どーすんの?俺が先に出る?それとも~.....一緒に?」
「あたしが先出る。はやくこんなとこから抜け出したいし」
あたしだって最近は顔も知られてる。
人気急上昇してるらしいし。
なのに、最近売れてきたのに、こんな事になってるって知られたらヤバイ。
あたしのイメージダウンだ。
「まぁ....俺はどっちでもいーから。どーせそういうイメージだしな」
「あっそ」
ヤスのイメージなんてどーでもいい。
それより早くここから抜け出したい。
「じゃ出る」
「...ありがとうな。それと想君との事ごめん」
あたしはこんな行為したくもなかった。
あまり、記憶はないけど。
そしてあたしはサングラスを深くかけ、部屋を出た。

