――――――――10時



「鍬ーこの帽子可愛くない?」




「かわいくない」






「じゃあこのスカートは?」



「変」






結構可愛いと思うんだけどな.....



鍬はさっきからずっと否定してくる。


もう、なんなの!!






「じゃあさ、決めてよ!」



「はぁー?お前、自分の服くらい自分で決めろよ」




「べーだ!」






「あの、店員さんコイツに似合うのありますか?」



「キャーtulipちゃんにここの服着てもらえるなんて!!」





鍬はさすがに変装してる。

そうじゃないと今頃このお店......





「じゃあtulipさん、これ着てみて」



指示されたのはミントグリーンのチュニックワンピース。





......確かに可愛い。








「ど、どうですか///?」



「やっぱり着せがいがあるわー」





「うーん....琉愛らしくねぇ」



”らしい”ってなによ!!








それからずっと「琉愛らしくない」を連発。


店員さん、焦ってるよ....







――――――そして10分後




「じゃあこれとかどうです(汗)?」


次、出されたのは薔薇のデザインのワンピース。





急いで試着する。


「ど、どう////?」




「よし、これで。靴とか付けてやってください」







「はい////」


変装はしてるものの、鍬はやっぱりかっこいい。



店員さんも照れてるよ。








「じゃあ、2万2405円頂きます」




あたしは財布からカードを出す。


「じゃあこれで」





「えっ....?」


鍬は自分のカードを出し、店員さんに渡す。




「それだけはだめ!!」






鍬に申し訳ないよ。


「これは男が払うもんだろ....てかこのカードすげーな。さすが白石社長...」





このカード光ってて眩しいもんね。



「話題変えないっ!」




あたしがキレたら「ハハ..」と笑われた。




もー.....





「ありがとうございましたー♪」




やっぱこの服、恥ずかしいよ////


だって胸元開きすぎだもん。





「じゃ、会社行くか」


鍬の車に乗り込み、会社に向かう事にした。