「パパ、ママ、別荘に行く準備してね♪」
「「はいはい・・・」」
やっぱり気があってる♪
やっぱり旅行に行ってほしい。
それともう一つ理由がある。
......あたしを一人にさせて。
もう、これ以上悲しみたくない。
想なんていーから。
家に帰れば、鳴琉を思い出す。そして光耀を思い出して、光耀を思い出せばJETLAGを思い出して、最終的に想を思い出してしまう。
あたしはこの家でママ、パパ、圭くんを思い出したいの。
あんな想なんて思い出したくもない。
あたしは教師になるために、頑張るの。
恋愛なんて、もうしない。
自分を惨めにさせたくない。
夢を追いかけて、つかまえて満足してから結婚するの。
それがあたしの.....おばあちゃんの夢。
あたしの夢=おばあちゃんの夢。
叶えてあげないと、あたしは死ねない。
死んでも死にきれない。
おばあちゃんに会わせる顔がないでしょ?

