あたしはお花を添え、おばあちゃんを洗ってあげる。
昔もこんな風にかけ合いしたよね。
「おばあちゃん、また来るね」
おばあちゃんに別れを告げ、お墓が並ぶ霊場を抜ける。
「琉愛か?」
振り返るとそこには圭くん(お兄ちゃん)がいた。
あたしはあれっきり圭くんと会ってなかった。
「久しぶりだね」
あたし達は近くにあったベンチに座る。
「圭くんごめんなさい。本当にごめん」
「琉愛の事はちょくちょく光耀から聞いてたから・・・。お前はいいやつだから、絶対実親のところに行くと思ってたよ」
「でも結局白石家をぶっ壊しただけ....」
あれからあたしの事で喧嘩続きらしい。
「琉愛、帰ってくる気はねぇのか?」
「恥ずかしくてパパに顔出せないよ...」
「親父は待ってるはずだ。あれだけ琉愛を愛してたんだから。.....今度会ってやってほしい」
「じゃあこれから行こっかな」
「そうだな」
あたしはパパにお詫びするために、白石家に行く事になった。

