想side
何があったのかは知らないが、琉愛のために桜根学園に行った。
桜根学園は琉愛の学校であり、俺らの母校でもある。
だから琉愛を迎えに行った時も嬉しかったし、ここでみんなに公表するということもよかった。
俺にとっては一生を決めた学校だったと思うし、学園長にはホント感心している。
桜根学園に着くと、鍬の車の中に琉愛が眠っていた。
そして、多くの男と記者がジロジロ見ていた。
俺は
「俺の女の寝顔見てんじゃねぇーぞ!」
と叫んだ。
「かっこいー」
それは効果抜群だった。
琉愛じゃなくて俺をジーっと見るほうがよっぽどマシだ。
でも鍬と琉愛はここに何しに来たのか。
それが引っかかっていた。
車にのり、琉愛の寝顔を見ながら、運転する。
本当は琉愛に何かあったんじゃないか。
それが浮かんできた。
それを琉愛は鍬に吐き出していたのか?
俺じゃなく.....
琉愛は意地っ張りで、文句ひとつ言わず我慢する女だ。
俺が見たことない分類の女。
そこに惹かれていったんだ。
甘い声で話しかける女とは全然違った。

