あたしは仕事後、すぐに学校へ行った。




三時間目の途中だった。

多分、英語だったと思うけど....






「marryとは結婚するという単語で....」



やっぱり英語だ。

雁木先生の声が聞こえてくる。





ヤバッ、怒られる・・・・


この制服、指定のものじゃないもん。




撮影直後、そのまま学校に行こうとしたら制服忘れちゃって、慌てて撮影用の制服借りたんだ。






モデルさん、あたしが先着てごめんなさいっ



覚悟を決め、ドアを開ける。






―――――――――――ガラガラガラ


学校のドアはむやみにうるさい。




「だれだ!」


雁木先生が怒鳴る。
生徒全員があたしに注目する。





「白石さんでしたか....お疲れ様です~」



へ?
せ.......ん..せ?






「ホントにtulipちゃんだ。かわいー!」

「サインして~♪」

「あんな報道なんか気にしてられっかよ。どーせあのジジィが襲ったんじゃねーの?」








......みんな..............


あたし.....みんなに嫌われてるって思ってた。
あんな報道見てサイテーだって思われてるって思ってた。






あたしの事、信じてくれてたんだ.......