それからあやめは、楠 弘樹のメアドをゲッドすることができた。




あやめはすごく喜んでいた。




「明日香のおかげだよ。」





「へ???明日香、何もしてないじゃん。」





「明日香、応援してくれたじゃん。アリガト。」





あやめの笑顔は恋があるからこそ、いつもの笑顔よりすごく可愛く見えた。



「あやめ、告る。」




明日香はビックリした。



あの、あやめが・・・。




昔、恋には無関心だったあやめが・・・。




人の情報ばっかり集めてて、人に協力するのが大好きだったあのあやめが告るなんて。




「あやめ、頑張れ。」



それから、あやめは頑張った。



たとえ、学校では会えなくても、メェルがあるから、と毎日メェルを送っていた。




そんなある日。



「明日香ぁ。あやめ、告っちゃいました。」




えぇ!!!!急に!?



「で、どうだったの???」




「あのね。振られちゃったの。中岡 都子先輩のことが好きなんだって。」



あ・・・。



あやめに伝えるの忘れてた。



つい、あやめの笑顔をみると、いえなかった自分が恥ずかしい。



世の中には、明日香と翔太みたいに結ばれる人たちばっかりじゃないんだな。



ケンカケンカって、ケンカできる事って良いことなんだな。



「でも、あやめはあきらめない。絶対に楠先輩と付き合ってみせる。」




その想いは、楠先輩には届かなかった。



「明日香。楠先輩、メアド変えちゃって。メェルが出来なくなっちゃった。」




ってことは、楠先輩は嫌がってるってことか。




「もう、あやめ嫌だ。もう、楠先輩のことあきらめようかな。」




「ダメだよ。楠先輩のこと、あきらめないんでしょ。必ず、付き合ってみせるんでしょ。だったら、あきらめないで、アタックすれば???大丈夫。」



「分かった。あやめ、まだ、頑張れる気がした。」