明日香は迷った。


え・・・。



言えばいいの???



「好き。」


健二は明日香の手を引っ張って、あるマンションに連れてきた。



「ここ、何処???」



「俺ん家。」



健二の家・・・。すごい。高級マンションじゃん。



「失礼します。」



健二の部屋は50階のマンションの46階。



部屋に入ると、すぐのところにリビングがあり、ベッドルームがある。



「ちょっと待って。翔太に連絡するから。」



明日香は携帯電話を取り出し、すぐさまメェルを打とうとした。



しかし、その手が止まった。



「絶対俺といることは、言うなよ。」



嘘、つくのか。



何度も嘘ついてばかりだね、翔太。



でも、これで最後だから。



「翔太、今明日香、家にいるよ。健二に誘拐されたけどなんとか逃げ出しました。」



ゴメン、翔太。


送信。



しばらくして。



受信 翔太


「じゃあ、今から会いに行っていい???」



「今から出かけるから無理。ゴメン。」



送信。



受信 翔太

「ふーん。分かった。また、明日。」



「本当にごめんなさい。じゃあ、バイバイ。」