看護師をからかうのはプロ級。


変なこと身に着けちゃった。

もうそろそろ、姉貴たちが帰国する。
明日あたりに見舞いに来るだろう。


いつものように呑気に。






そして…







「陽ー」
「陽ー」






予想通りつーか、期待以上つーか…。
あの日の涙を疑うくらい

明るい姉貴たちの声。
勘弁してくれ・・・。





「体調は?」



「昨日よりいい」



「リンゴ食べる?」



「紗雪の作るはちみつレモンがいい」






正直、何もくえねぇ。
でも姉貴たちが心配する。





「今回は長く日本にいるから、作ってくるわ」



「ああ、さんきゅ」






ベットの上から空を見上げた。
綺麗だな。


太陽の光がさんさんと降り注ぐ。

…絢、今どこにいる?
逢いたいな・・・。




時間は待ってくれるはずもなく…
病気は進んでいく。






「…ゴホッ…くっ…くる…っし」





苦しい…
どこが?


それもわからないくらいの痛み。