「 あっ… あのね。
4人で食事しませんか? 」


私の口から出た言葉
自分でもビックリしたけど…。


「 いいね。
どこにしようか?
東浦!飛島が好きそうなとこ探してあげな。 」


にかって笑ってた。
学校でも見る笑顔と同じでホッとした。


「 飛島…何がいい? 」


都由と東浦くんが
2人で歩き出した後ろ姿を見ていた。


「 東浦もオレみたいに
素直になれたらいいのになぁ…。 」


???
いつ佐久穂くんが素直になってるのかな?


「 小海…
制服じゃないのって
初めてだからドキドキしたんだよね。
東浦も飛島にね、きっと。
小海…、
これさっき悩んでただろう? 」


小さな紙袋に
2つの小瓶が入ってた。
可愛いピンク系のネイル2本。


「 どっちかなんて
オレ決められなかったよ。
2つとも小海に似合ってるから…
気に入ってくれた? 」


「 わっ、私に…?
ありがとう、佐久穂くん…。
でも、どうして? 」


「 小海って、
ちょっとバカかもしれないね。
2人に置いてかれるよ。 」


佐久穂くんが歩き出した。
けっこう先に2人が見えた。
あれ?
キョリ近い!
えっ?
2人手を繋いでいる。
ビックリして動けない私に。


「 小海、行くよ! 」


右手首を捕まれて走らされてる。


この1時間くらいで
凄いことが私におこっている。


都由が東浦くんと手を繋いで歩いている。

私は佐久穂くんに手首つかまれて走っている。


あー、
これって夢だわ!
私の都合のいいように見ている夢だわ。

だって、
都由と私が好きな男子が
2人で出掛けるなんて偶然でもありえないものね。


じゃぁ…
夢なら
伝えてみようかな?
私の気持ちを。