楽しいふりをしてデートをして最寄り駅で別れた。


やっぱり気になった…。

そう思っていたら自然に足が動いた。


鈴登くんは電車に乗った。
あわててついていく。

何か探偵になった気分になった。

隣駅で降りた。
駅前が公園みたいになっていて
ベンチには小雪が座っていた。


「 鈴登くん! 」


走って抱きついていた。
それ以上の言葉は聞こえなかったけど…

一時間くらい二人は
ベッタリくっついて話をしていた。

私の体温もさめてきて
コーヒーを買いに自販機へ。


小雪は鈴登くんと別れて
誰かと携帯で話をしていた。


「 今あいつと話してたよ。
えっ?
あいつ?
私?
好きじゃないよ!
小桜の男だから奪いたいだけ!
だって小桜が大嫌いなんだもん!
いいでしょ?
私が大好きなのは志有だけだもん。
えっ?
小桜に会ったの?
私に似てた?
やめてよ!
あんなブスと一緒にしないでよ!!
今から志有のとこ行ってもいい? 」


私は
とにかく全身が震えた。
しかも大切な話を聞くと講義を聞くみたいに
録音をしてしまった。

私、どうしたらいい?
私も鈴登も騙されている。


「 ねぇ、鈴登くん。
ちょっと今から時間あるかな? 」


「 あるよ!
小桜はどこにいるの? 」


「 ○○駅にいるよ。
どれくらいでこれる? 」





「 10分もかからないで、
来れるんじゃないかな? 」





「 鈴登くんが来れないなら…
もう終わりにしようか、私たち。 」





「 あっ!
やっぱり小雪といたベンチはイヤですか? 」


それだけ言ったら携帯を切った。