「あの、さっきはな、実は恥ずくって見栄はっちまった。」 「えっ?」 「はぁー。鈍いなぁ。一回しか言わねぇから、ちゃんと聞けよ?」 「俺は、お前が好きだ。」 一瞬、夢を見てるのかと思った。これは、あたしの勝手な都合のいい『夢』。 でも、目の前の温もりに手を伸ばせば。 とても、温かかった。 そんなの、あたしだって好きに決まってる。 だから、迷わず「あたしも。」と、答 えようとした。答えたかった。