花とキミ*秋・冬




何だろ‥‥

コツンと空哉くんのおでこと
私のおでこが当たった。

息がかかるくらいに近い距離。

「花菜‥やっぱ何かあったろ?
具合が悪い訳では無いみたいだけど‥」

「‥何にも‥無いよ。
空哉くんは?」

空哉くんの口から言ってよ。

何か言って欲しい‥‥

「俺?俺こそ、何もねぇよ?」

何も、言ってくれないんだね‥

さらに近づいてくる空哉くんの顔。
キスされるんだ。

唇に温かいものが触れる。

この唇は、あの人にも触れたもの‥?
そんなことを考えたら、
涙が出そうになった。

「‥‥やっ‥‥」

もう‥ダメ。
そう思った時には、空哉くんを
突き飛ばしていた。