何だろ‥‥
コツンと空哉くんのおでこと
私のおでこが当たった。
息がかかるくらいに近い距離。
「花菜‥やっぱ何かあったろ?
具合が悪い訳では無いみたいだけど‥」
「‥何にも‥無いよ。
空哉くんは?」
空哉くんの口から言ってよ。
何か言って欲しい‥‥
「俺?俺こそ、何もねぇよ?」
何も、言ってくれないんだね‥
さらに近づいてくる空哉くんの顔。
キスされるんだ。
唇に温かいものが触れる。
この唇は、あの人にも触れたもの‥?
そんなことを考えたら、
涙が出そうになった。
「‥‥やっ‥‥」
もう‥ダメ。
そう思った時には、空哉くんを
突き飛ばしていた。


