花とキミ*秋・冬





「‥尋翔さん」

「やっと見つかった‥
花菜ちゃん‥どうかしたの?」

いつの間にか流れていた涙を
拭われて、優しい声で聞かれる。

「何も‥ないです。」

「空哉くん?」

私の小さな嘘はあっけなく見破られた。

「本当に、奪っていいかな‥」

尋翔さんが何か呟いて、私に言った。

「ダンスの前に帰っちゃおうかと
思ってたんだけど‥
花菜ちゃん、一緒に踊ろう?」

そうしよっかな‥
せっかく誘ってくれてるし‥

「尋翔さん‥」

お願いします、そう言いかけた私の言葉を
遮る声がした。

「---花菜。」