「双子ちゃんに有無を言わせないなんて流石恭ちゃん♪そんな脅すようなことしてよかったのー?」


「別に脅している訳ではない。俺の部屋で厄介ごとは避けたい。それだけだ。」


「またまた〜。モッテモーテのきょーすっけく〜ん♪」


「からかうな。」


悠祐は肘を小突き恭祐を煽り立てる。恭祐はそれに冷静に返す。すると神無は興味津々にそんな2人を見上げる。


「あの、僕達このままいてもいいですか?」


「ダメだ。自分の部屋に戻ってさっさと寝ろ。」


恭祐はさっきまでの様子と打って変わって冷静沈着な自分を取り戻しているがいつもより若干低いように思える。神無の言葉をスパッと切り捨てた。


「えー。」


「神無、迷惑になるから帰ろ。」


水無がふてくされている神無の服の裾をちょいちょいと引っ張る。


「えー、水無まで〜。うーん……分かった。水無が言うなら今日は帰ろうかな。」


そう言うと神無は兄の背を追うように大人しく付いていった。気怠いようなそんな歩き方だ。そんな2人を見送った後、ドアがバタンと閉じた。その瞬間2人は息を吸い込みそして思いっ切り吐ききった。