「…っ…フッ…んあぁっ…」


恭祐の微かな笑みに悠祐はピクリと反応を見せた動きを止めた。そして少し掠れたような声が聞こえてきた。


「…恭祐?…なんで笑ってるの?」


恭祐はやっと反応を見せてくれた悠祐にもう一度笑んで見せた。


「お前が…っんっ…初々しい顔をしているからだ。」


「初々しいっ?!どこが?!」

「っ…っはっあぁぁっ!…んっ…ふっぁっ…」


悠祐が言葉に反応し身体も動いた。その瞬間恭祐は思いもしない衝撃に身震いした。それと同時に壁に白い液が伝い床へ向かって垂れていく。


「えと…恭祐…大丈夫…?」


「っはぁっ…あっ…っ…悠祐…お前わざとか。…っ…」


「わざとじゃないよっ。さっきのは恭祐が悪いんだからっ。…っ…ごめん…」


反論する悠祐をきっと睨むと勢いのあった声はシュンとしてしまった。恭祐は息を切らしながらもいつもの声色で告げる。


「…言うまで動くなよ?…はぁ〜お前が如何にも初めてですって顔をしているから初々しいって言ったんだけど…言わなければよかった。」


がっくりとうなだれるように肩を落とした。悠祐は不思議と言わんばかりの顔をして確かめるように口に出す。


「いつ?」


「悠祐が俺の声を聞かなかったとき。」


スッと顔を上げ横目で意識を飛ばす。悠祐の顔は相変わらず恭祐と一定の距離を保って15㎝くらいの位置で動揺の色を見せている。


「見たの?」


「見たから言っているんだ。」


「そんなに初々しかったの?」


「じゃなければ言わない。」


端的な質問に端的に返していく。すると悠祐の声色は段々不安そうな声へ変わった。


「そうだよね。…どんな…顔してた?」


「頬を真っ赤にして感じている顔をしていた。」


その不安そうな声にきっぱりと告げる。恭祐の声色は変わることなく冷静だった。


「真っ赤?!そんなに?!」


悠祐は今の自分の頬を確かめるように手で確かめた。


「今はないだろう。お前に意識があるんだから。…はぁ〜…さて…早く帰りたいんだが…。悠祐、お前だけまだイケてないだろう。さっさと帰るぞ。」


「…恭祐…ごめんね…それと、ありがと…大好き。」


恭祐の腰をぎゅっと抱きしめ身を擦り寄せる。


「…んっ…んぁっ…はっ…あっんんっ…」