その後残された僕達は────


「ねぇ神無。ひょっとして僕達凄いとこ見ちゃった?」


その場に立ち尽くしさっきまでここにあった情景が頭の中で繰り返されている。


「うん。僕達みたいだった。いろいろそっくり。」


同じく呆然とした様子で立ち尽くす神無。


「うん。双子だし、そんでもってHしてたし。」


水無は喋りながらゆっくりと神無の手を引いて促す。最初は引っ張られるようについて行っていたが段々歩調が重なり手を繋ぎながら長い廊下を歩く。


「ねぇ水無。もしかしてあの2人って僕達のきっかけになった人じゃない?」


「きっかけってなんの?」


「僕達がH始めるきっかけ。だってほら会長の方が恭祐って名前で副会長の方が悠祐だって選挙の時発表されてたじゃん。そんで双子だし声もそっくりで2個上だし名字九十九って言ってた。小学校も中学校も一緒だったはずだよ。かっこよくて有名だった九十九兄弟だよね〜。」


「言われてみれば…確かに全部当てはまるね。」

「でしょ!!あ〜かっこよかったなぁ。」


「神無!僕は僕は?」


「うん、可愛いよ♪」


「可愛いの?!格好良くない?」


「いーの。そんな水無が好きなんだからさ♪」


「うん♪僕も神無のこと好き♪…あ!そだ。明日聞いてみる?あの九十九兄弟なのかとか。それで一緒なら当たりだね♪」


「うん。そうだね。そうしよっか。」


静かな廊下に僕達の声だけが響いていく。話していると教室に着いた。それから僕達は鞄を持って寮へと足先を変えお互いに今日あったことを話し合った。そして結果毎夜のことながらベッドへ入る。