僕達はこの世では稀な一卵性双生児として生まれた。昔からそっくりでお互いよく間違えられた。
兄の名前は水無。いつも元気で誰にでも優しくて心を開く。ただ、自分に関しては凄く鈍感である。
弟の名前は神無。大人しい性格をしているが、内面は責任感と行動力のある弟。兄と違い勘が鋭い。
お互い兄弟思いでいつも一緒にいる。



そんな僕達がある出来事から普通の双子の兄弟ではなくなってしまった。


────それは約6年前の僕達が10才の時。

僕達の学校の帰りにいつも通り歩き慣れた道を帰っているとガタガタッと物音が聞こえ、言い争うような声が聞こえた。


「おい悠祐。ふざけんな。おっおいっ…まっ」

その瞬間ガタッと大きな音がした。僕達は顔を見合わせ瞬きを繰り返し壁に耳を当ててみた。


「んっふっ…ゆぅ…まっ…あっ」


「恭ちゃんが悪いんだー。黙ってヤらせてくれないからー。」


「誰が黙ってヤられるか!悠祐っ…っはっ…もっやめっ」


「ヤダー。お兄ちゃんヤ・ら・せ・てぇ。」


「かわいく言ったって無駄だ。離れろっこのっ」

僕達は何が起こっているのか疑問符を頭に浮かべていた。すると水無は木で造られた壁に長細い隙間があることに気付いた。こっそりと神無を呼んで僕達はその隙間を覗いた。


すると──────