逃げる女

無言で見つめる杉田さんから目を反らせない。
私はそんな中彼の言った言葉の意味を考える。


思い当たる人物は1人しかいないことに気付く。
一瞬で私の熱が冷めていくのを感じた。



「どうして…そんな事聞くんですか。」



彼に会いたいと思ってるなんて、どうして?



「そんな事、思う訳無い!私はッ――」



『居るんだよ。』



「…え?」



『外に、居るんだ。』


「居るって…誰…が?」


聞かなくてもわかってる。けれど、どうか思い描いてる人と違う人物であって欲しいと願ってしまう。



『例の、話に出て来た“森田”って奴だよ。』


ああ…やっぱり…


途端に震え出す足。



彼が、外に居る?



杉田さんに見つめられてた時とは、違う動悸に目眩がする。



『!?おいっ!嘉島?』



立ってられなくて杉田さんに片手を掴まれたまま、そのまま座り込んでしまった。



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