「私の事気に入った?」

しまったぁぁぁぁぁああああ!!!

考え過ぎて、やはり気づかれてしまった。

穴があったら全力で入りたい。

図星を突かれた俺は瞬きを繰り返しながらエレナを見つめた。

「付き合いましょう?貴方ってかっこいいし、結構好みのタイプなのよね」

…遊ばれている気がした。

俺はしばらく車内に視線を彷徨わせた。

バックミラー越しに微笑む運転手の初老と視線がぶつかった。

「ねぇ、返事は?私、告白したんですけど」

エレナは不満顔で視線の定まらない俺の顔を覗き込んだ。

「よ、よろしく…」

なんて…そんな事があって俺達は恋人としても、この家で暮らしている。