今は私を見ていても、きっと夢の中で私を和華菜に塗り替えて同じ事を繰り返すのね……。

“同じ事”では語弊があった。

私には向けてくれない“愛”を囁いて夢の中を濃厚にするの。

「……エレナ、大好きだよ……」

キスの合間に囁かれる言葉。

その言葉を素直に信じられるほど可愛い女じゃない。

偽りなら何も言ってくれなくていい。

「……私も……竜治が大好き」

ねぇ……どうしたら私だけを見てくれるの?

きっと和華菜を殺しても、貴方の心から愛が消えることは無い。

死んでもなお、愛され続ける和華菜はズルい。

もし出会うのが私の方が先だったら……。

……はぁ、これ以上考えるのは止めよう。

虚しくなるのは私だけだから。

「ねぇ……一つ聞きたいんだけど」

天井と竜治の顔が見える状態で首を傾げた。