「払えないのなら、彼を新たなウィナーとします!」

老爺は俺を指差した。

これで……これで俺の命は助かり和華菜を助ける事が出来る。

落札金額は俺が最後に打ち込んだ金額となった。

「エレナ……金額を変えたのか?」

隣に座るエレナを見下ろす。

「ちょっと桁を増やしてあげただけよ」

もう肩で息はしていなかったが、声は疲れて弱っていた。

「ありがとな」

俺はエレナに命を救われた。

「新たなウィナー。此方に来て呪われた椅子と契約を交わして下さい」

俺は言われた通り階段を下りて、殺の椅子の元へ行く。

「くそっ!!」

寿は階段を駆け上がり会場を去って行った。

擦れ違った時に肩がぶつかったが、そんな事気にしなかった。

俺は椅子に座り契約の為の犠牲者を探す。

さぁ……誰にするか。