「写真展?」

 私、葉山カノンはきょとんと父を見た。父は微笑みながら、

「英輝が送ってくれたみたいだぞ」

 私はふーんとうなって、ぱくりとご飯を口に入れた。
 興味がなさそうな私に、父は明らかに落胆して、

「あのな、カノン。カメラマン目指すんだったら、写真に興味くらい持とうな」

 私はうーんとうなり、咀嚼していたご飯を飲み込んだ。

「だって、河島さんが撮った写真だったら、モデルが被写体でしょ?」
「いや、英輝は風景も撮るぞ」
「そうなの?」

 そこで食べることに夢中だった母が口を挟んだ。

「行ってらっしゃいよ、カノン。英輝が撮った写真なら、きっととても素敵よ」

 河島さんはかつて母さんを撮ったこともあるらしい。その被写体だった母が言うのだから、間違いはないのだろう。

「うーん・・・いつ?」

 たずねる私に、父は笑顔になった。

「明後日かららしい」
「わかった。行ってくる」