さらに――



人気者の上、遠い九州に行ってしまう潤の周りには、ものすごい人集りができていた。



遠巻きにそれを見ながら、潮が曳くのを待っていた。


タッタッタッ…と駆け寄る潤。



「千夏!千夏のアルバム、ちょっと貸して!」 



パラパラとアルバムを捲り、最後のページを開いた。


「なんだよー!書くとこないじゃん!」



「えぇー?ここ、ここ!」と、小さいながらも空いたスペースを指で指した。



「あぁ、ここか。オッケー!じゃあ、ちょっと借りるわ、これ!」



潤は私のアルバムを抱えたまま、どこかへ行ってしまった。