真っ暗になった田舎道を来たときと同じように迷わず、小夜の実家へと戻った

「夕飯に間に合ったかな?
遅れちゃったら大変だ!
お父さんに怒られちゃうよな」

言葉とは裏腹に楽しそうな遥は目尻を下げ、手を繋いで玄関へと入っていく

「「ただいま~」」

弾んだ声の遥と同時に家の中へ声をかけた

バタバタと駆け寄る音がして圭輔が出迎えてくれた

「おかえり~!小夜!」

明日から仕事へ行くと言っていた筈なのに、まだ実家にいることを不思議に思い圭輔の方を見ると

「あっあ~!!王子だ!!
王子がいる!
え~!!小夜の彼氏って!
王子なの~?」

家の中とは思えない大声で叫んだ

…ケイったら…いくら遥さんが…ハルが王子様っぽくても…
叫ばなくてもいいんじゃない…