良孝が小夜を連れて来たのは路地裏の小さな居酒屋だった

…あたしは未成年だし…車の運転があるでしょ?
なぜ居酒屋?

疑問に思ったが、馴れた様子で引き戸の中に入って行く良孝の後に続いた

「いらっしゃい!…あら…」

店の女将は小夜を見て不思議そうな顔をしたが、良孝は気にせず奥の座敷へと座ってしまった

「定食…二つくれる?」

メニューも見ずに、注文をした良孝は小夜に置かれたおしぼりを差し出し聞いてきた

「なあ…急になんでお祖母さんに楯突くことにしたんだ?
これまで言いなりだったんだろ?」

このことが聞きたくて夕飯に誘ったらしい